デザイン制作において、フォント選びはとても重要な工程です。
にもかかわらず、「とりあえず見た目が好みだから」「なんとなく今っぽいから」という理由で選ばれてしまうことも少なくありません。
その結果、
『読みにくい』『伝えたい印象とズレている』『全体がチグハグに見える』といった違和感が生まれてしまいます。
フォント選びはセンスの問題だと思われがちですが、実は失敗しにくくなる考え方があります。
フォント選びで迷ったときに立ち返るべき視点を、デザイン事務所の観点から整理していきます!
フォントは「装飾」ではなく「設計」
フォントというと、「雰囲気をつくるもの」「デザインをおしゃれにするもの」と捉えられがちです。
しかし本来フォントは、文章を正しく、ストレスなく伝えるための設計要素です。
どんなに美しいフォントでも、
読みにくかったり、内容と合っていなければ、それは失敗と言えます。
まず意識したいのは、
フォントは主張するための存在ではないということです。

フォント選びで起きやすい失敗パターン
よく見かける失敗には、いくつかの共通点があります。
・デザインの雰囲気だけで選んでいる
・使用シーン(Web/印刷)を考慮していない
・フォントの役割分担ができていない
これらはすべて、「フォントを感覚で選んでいる」状態です。
感覚そのものが悪いわけではありませんが、判断軸がないまま感覚に頼るとブレやすくなります。

まず考えるべきは「誰が・何を・どこで読むか」
フォント選びで最初に考えるべきなのは、
「どのフォントがかっこいいか」ではありません。
重要なのは、次の3点です。
・誰が読むのか
・何を伝える文章なのか
・どこで使われるのか
たとえば、
スマートフォンで長文を読むのか、看板や見出しとして一瞬で認識させたいのか。
この前提条件が変われば、適したフォントも当然変わります。
文章/チラシなどで使われるフォント

見出し/看板などで使われるフォント

読みやすさは「好み」では決まらない
「このフォント、読みやすいですよね」という言葉はよく聞きますが、
読みやすさは好みではなく条件で決まります。
具体的には、
・文字の太さ
・文字間(字間)
・行間
・画面サイズとの相性
といった要素の組み合わせです。
フォント単体では問題なくても、
使うサイズや行間によっては急に読みにくくなることもあります。
フォント選びは、必ず実際に使う状態で確認することが重要です。

フォントの役割を分けると失敗しにくい
すべての文字に同じフォントを使う必要はありません。
むしろ、役割ごとにフォントを分けたほうが、情報は整理されます。
よく使われる考え方としては、
・見出し用のフォント
・本文用のフォント
・補足・注釈用のフォント
といった役割分担です。
ここで大切なのは、「種類を増やすこと」ではなく、役割を明確にすること。
多くの場合、2〜3種類に抑えるほうが、全体は整います。

フォントは「世界観」を無言で伝えている
フォントは文字情報であると同時に、
ブランドやサービスの世界観を無言で伝えています。
たとえば、
・かっちりしている
・やわらかい
・誠実そう
・親しみやすい
こうした印象は、文章を読む前にフォントから伝わっています。
だからこそ、
「伝えたい印象」と「フォントの印象」がズレていると、
違和感として感じ取られてしまうのです。
フォント選びで迷ったときの考え方
どうしても迷ったときは、次の順序で考えると失敗しにくくなります。
① 読みやすさを最優先する
② 使用シーンとの相性を見る
③ デザイン性を調整する
この順番を逆にすると、
「おしゃれだけど読みにくい」という状態になりがちです。

フォント選びも「引き算」が効く
フォント選びでも、引き算の考え方はとても重要です。
個性的なフォントを使えば使うほど、デザインが良くなるとは限りません。
むしろ、
・主張しすぎない
・情報の邪魔をしない
・長く使っても疲れない
こうしたフォントのほうが、結果的に強いデザインになります。
フォントは目立たなくていい。
役割を果たしていれば、それでいいのです。
まとめ
フォント選びは「センス」より「考え方」
フォント選びで失敗しないために必要なのは、
特別なセンスよりも、考え方の整理です。
♦ 誰が、どこで、何を読むのか
♦ 読みやすさを最優先できているか
♦ フォントに役割を持たせているか
これらを押さえるだけで、
フォント選びの失敗は大きく減らせます。
フォントは、デザインの主役ではありません。
けれど、デザイン全体の質を静かに左右する存在です。
だからこそ、感覚だけに頼らず、
設計としてフォントを選ぶことが、良いデザインへの近道になります。
おしゃれでも、読みにくければ失敗。

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