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デザイン心理学とは?脳の仕組みを活かした「無意識に選ばれるデザイン」の作り方

「なぜかこのホームページは見やすい」
「気付いたらお問い合わせボタンを押していた」
「このチラシは最後まで読んでしまった」

このような体験は誰しも一度はあるのではないでしょうか。
実は、こうした現象は偶然ではありません。

人間の脳は、毎日膨大な情報を処理しています。しかし、そのすべてを意識的に判断しているわけではなく、多くの意思決定は無意識に行われています。

だからこそ、優れたデザインは「見る人を説得する」のではなく、「脳が自然と理解し、自然と行動したくなる状態」をつくっています。

目次

■ 人間の脳は「考えること」が苦手
■ 視線は最初に「目立つもの」へ向かう
■ 脳は「まとまり」を勝手につくる
■「読む順番」はデザインでコントロールできる
■ 人は「知っているもの」を信頼する
■ 選択肢が多すぎると人は選べない
■ 社会的証明が安心感を生む
■ 脳は「一瞬」で印象を決めている
■「デザイン=装飾」ではない
■ まとめ

人間の脳は「考えること」が苦手

人は論理的に考えているようで、実際にはできるだけ考えないように行動する生き物です。
これは脳がエネルギーを節約するための仕組みです。

例えばスーパーで商品を選ぶときも、
・よく見たことがある商品
・パッと目についた商品
・人気そうな商品
などを、深く比較することなく選んでしまうことがあります。

チラシやホームページも同じです。
見ている人は一文字一句読んでいるわけではありません。

最初の数秒で、
「分かりやすそう」「信頼できそう」「自分に関係がありそう」と感じるかどうかを判断しています。
つまりデザインとは、考えさせない設計でもあるのです。

視線は最初に「目立つもの」へ向かう

人間の視線には一定の法則があります。
・大きい文字
・明るい色
・コントラストが強い部分
・人物の顔
・矢印
・動きのある要素

これらは無意識に目を引きます。
逆に重要なボタンが背景と同化していたり、小さく配置されていると、存在そのものに気付かれないこともあります。

そのため、CTAボタンやお問い合わせ、資料請求などの行動につなげるものは自然に視線が集まるよう設計することが重要です。
「目立たせる」のではなく、「最初に見つけてもらう」ことが目的です。

脳は「まとまり」を勝手につくる

人間の脳は近くにあるものを同じグループだと認識します。

例えば、
・サービス内容
・料金
・お問い合わせ

これらが近すぎると、一つの情報として認識されてしまいます。

一方で余白を適切に入れると、それぞれが別々の情報だと理解できます。
これはゲシュタルト心理学でも知られている法則です。

余白は「何もない空間」ではありません。
情報を整理するための重要なデザイン要素なのです。

ゲシュタルト心理学

「ゲシュタルト(Gestalt)」はドイツ語で「形」「まとまり」「全体像」という意味。
ゲシュタルト心理学とは、人は物事を「部分の集まり」ではなく、「まとまり(全体)」として認識するという考え方をもとにした心理学。

例えば、私たちは文字や図形を一つひとつ分析して見ているのではなく、脳が無意識に整理・補完して、一つの意味ある形として認識している。

例)
点が集まると「形」に見える
この5つの点を見たとき、多くの人は「バツ印(×)のような配置だな」と感じる。
実際にはただの点ですが、脳は自然と「ひとつの図形」として認識する。

不足情報の補填
横線しかないのに文字として認識している。
これは、脳が不足している情報を補い、意味のある形として理解しているから起こる現象。
WWF(世界自然保護基金)やIBMといったロゴでも使われている。

「読む順番」はデザインでコントロールできる

多くの人は、
「左から右」「上から下」へ視線を動かします。

しかし、
写真や色、アイコン、余白などを組み合わせることで、読む順番をある程度コントロールできます。

例えば、
1. キャッチコピー
2. ベネフィット
3. 実績
4. CTA
このような流れを作ることで、自然なストーリーになります。

人は「知っているもの」を信頼する

心理学では単純接触効果と呼ばれる現象があります。
何度も見るものに対して、人は自然と好感を持ちやすくなります。

例えば、
・ロゴ
・ブランドカラー
・アイコン
・フォント

これらに一貫性がある会社ほど、「しっかりした会社」という印象を与えます。
逆にページごとにデザインが違うと、無意識に違和感を覚えてしまいます。

デザインの統一感は、ブランドの信頼にも直結しています。

単純接触効果

何度も見たり聞いたりするだけで、その対象に好感を持ちやすくなる心理効果のこと。
強くアピールしなくても、接触回数が増えるだけで印象がよくなりやすいことがポイント。

例)
・何度も流れるCMの商品を覚えてしまう
・よく見るロゴに安心感を持つ
・何度も会う人に親しみを感じる

選択肢が多すぎると人は選べない

「たくさん選べるほうが親切」
そう思われがちですが、実際には逆のことが起こります。

これはジャムの法則とも呼ばれる有名な研究があります。
24種類のジャムを並べた売場より、6種類だけ並べた売場の方が購入率は高くなりました。

販促物でも
「お問い合わせ」「資料請求」「公式LINE」「電話番号」「メールアドレス」など行動につなげるためのCTAをすべて同じ優先度で並べてしまうと、「結局どれを選べばいいの?」となってしまいます。

社会的証明が安心感を生む

人は、「みんなが選んでいる」という情報に安心感を覚えます。
これを社会的証明と呼びます。

例えば、
・制作実績
・お客様の声
・Google口コミ
・導入事例
などは非常に効果があります。

特に初めて利用する会社・お店の場合、
「他の人が利用している」という情報だけで不安は大きく軽減されます。

社会的証明

アメリカの心理学者 ロバート・チャルディーニが提唱した影響力の原則の一つ。
多くの人が選んでいるものは正しいだろうと判断する人間の心理のこと。

人は、判断に迷ったときや情報が少ないときに、
「他の人がやっているなら安心」「人気があるなら良い商品なのだろう」と考える傾向があるが、これは、効率よく正しい判断をするための脳の仕組みともいえる。

例)
行列のできるお店
2つのお店があったときに、「並んでいるということは美味しいのだろう」と行列のできているお店を選びやすくなる。

ネットショップのレビュー
★4.8(レビュー2,000件)
このような表示を見ると、「これだけ多くの人が高評価なら安心」と感じ、購入につながりやすくなります。

社会的証明は強力ですが、誇張や虚偽の表示はNG!
架空のお客様の声や偽のレビューなどは、信頼を大きく損なうだけでなく、法的な問題につながる可能性もあります。

脳は「一瞬」で印象を決めている

人間は初対面の印象を非常に短時間で形成するといわれています。
ユーザーが見た瞬間に、「信頼できそう」「おしゃれ」「分かりづらそう」など第一印象が決まります。

そのため、最初に表示されるファーストビューは非常に重要です。
ここで「誰向けなのか」「何を提供しているのか」「どんなメリットがあるのか」が伝わらないと、多くのユーザーは離脱してしまいます。

ファーストビュー

販促物において、ユーザーが最初に目にする範囲のこと。

WEBサイト・LPの場合
キャッチコピーや商品・サービスのメインビジュアルなど、画面を開いた瞬間に表示される範囲。

チラシ・パンフレットの場合
手に取った瞬間、一番最初に視線が集まる部分。一番大きなスペースを占めている写真や商品・サービス名、メインコピーなど。

InstagramなどのSNS
写真の投稿であれば、1枚目の写真。リール動画では最初の1~3秒がファーストビューに相当する。

「デザイン=装飾」ではない

デザインというと、どのようなイメージをもちますか。
一般的に、色・イラスト・写真・レイアウトなどをイメージする方が多いことでしょう。

しかし本来のデザインとは、
情報を分かりやすく伝え、人を自然に目的地まで導く設計です。

つまり、
「迷わない」「分かりやすい」「ストレスフリー」といったものも立派なデザインなのです。

派手な演出よりも、「自然に理解できること」のほうが成果につながるケースは少なくありません。

まとめ|脳に寄り添うデザインが成果を生む

ホームページやチラシは、単に見た目を整えるだけでは成果につながりません。
大切なのは、人がどのように情報を見て、理解し、行動するのかという「脳の仕組み」を踏まえて設計することです。

今回ご紹介したポイントを振り返ると、以下のようになります。
・視線は目立つ要素へ自然に集まる
・余白は情報を整理する役割を持つ
・読む順番はデザインでコントロールできる
・統一感は信頼感につながる
・選択肢は少ないほうが行動しやすい
・社会的証明は安心感を生む
・第一印象は数秒で決まる

これらは特別なテクニックではなく、人間の認知特性を活かした基本原則です。
デザイン制作においては、見た目の美しさだけでなく、「人が無理なく理解し、自然と次の行動へ進める設計」が重要になります。

ホームページやLP、チラシなどの成果を高めたいとお考えでしたら、こうした視点を取り入れることで、ユーザーにとって分かりやすく、選ばれやすいデザインに近づけることができるでしょう。

 

見えない判断が、見える結果をつくる。

 

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